農業経営で地域経済を変える!

「農業に決着をつける」西岡征志郎さんポートレート

モデルハウスのようなモダンな家から出てきたのは、農業法人シナジーファームの代表、西岡征志郎さん。経営耕地面積110a、34棟のハウスでキュウリの施設園芸を行う㈱シナジーファームは、2010年に法人化。西岡さんが28歳のときだった。現在スタッフ総勢23名になる。

「私が10歳の時、35歳だった父が脳梗塞で倒れて家業だった農業が傾いてしまった。それから母と借金地獄の、たいへん厳しい生活を送ってきました」母親に「もうちっと待っときな。20歳になったら絶対に楽にしてやっからな。母ちゃん、この農業じゃない、ちゃんとした農業がきっとあるはずだからね」と、農業者になることを泣いて止められながらも、農業高校、農業大学校と進み、農業に向き合っていく。

西岡征志郎さん(オフィスにて)西岡さんと従業員の皆さん

西岡さんは苦しんだ農業を自ら刷新して、農業は素晴らしいものだと証明したいのだと、屈託のない笑顔で話すが、端々で真剣なまなざしが光った。

キュウリを栽培するハウス

そして現在は、キュウリに特化した専業農家として周年出荷体制構築を目指し、来年度も30a増やす計画がある。キュウリの生産量は年間で280トン。現在は夏場に生産していない月があるので、一月が約30トン。その上、A品率90%と高い栽培品質を保ちながら、徹底した管理の元、安定した農業経営を行なっており、借金も20代ですべて返済し、法人になっても一切赤字を出していない。

グローバルGAPも取得した110aの土地の半分はJAに登録。残りは、大手外資系スーパーで販売している。農業経営もバクチではいけない、雇用しているかぎり、常に安定が大切。また、周囲を巻き込み、一人の百歩よりも百人の一歩を目指していき、互いにシナジー効果(相乗効果という意味の経済英語) を引き起こしながら、農業の持つ無限の ポテンシャルを、日々追及している。

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